2024年12月
シンガポールでは、永住権(PR)や市民権が承認された人についてのデータは、限られた指標しか公表されていません。
今年10月の国会質問で、内務大臣兼法務大臣は、PRが承認された人の居住期間のデータは公表しないと回答しています。その理由として、このようなデータが悪用されたり、国家利益にそぐわない形で利用される可能性を挙げており、戦略的に国家の利益に適った方法で、つまり限られた指標のみを、公開するとしています。
シンガポールPR審査基準
シンガポールのPR審査は、単一の基準ではなく、複数の要因を総合的に評価する方法を採用しています。具体的には、飛び抜けて収入が高いなどの何か一つの要素ではなく、申請者の居住期間、経済的貢献、教育資格、年齢、家族構成、社会への統合能力、シンガポールに根を下ろすコミットメントなどが総合的に考慮されます。
ただ、同大臣は審査要因は上記に限らず、申請者ごとに異なる背景や状況に応じて、異なる評価基準が適用されているとしています。具体例として、シンガポール人の配偶者として申請する場合と、EPホルダーのようなシンガポールで就労している外国人として申請する場合では、審査基準が異なることを挙げています。
申請書類作成のコツ
発言から審査基準が動的であることが示唆されているため、審査官から適切な評価を得る可能性を最大化するためには、個別の特性に合わせたアプローチが必要になります。
たとえば、先の事例にあるような、シンガポール人との家族関係を強調すべき申請者と、経済的貢献を示す必要がある申請者では、審査に際して求められる情報は異なるため、用意する書類も異なります。
また、審査官が申請者の特長を迅速かつ正確に把握できるよう、申請者が自身の状況や貢献を端的かつ適切に説明できるかどうかも重要になります。提出書類が不十分または冗長な場合、審査官に疑念を持たれたり、重要な情報が見落とされたりするリスクが生じるため注意が必要です。そのため、審査で高い評価を得るためには、各申請者が審査において強みとなる独自の価値を、適切な情報量で明確に示すことが出来るかどうかが重要になります。
まとめ
シンガポールでは永住権取得を希望する外国人が多く、また審査基準が年々厳しくなっていることも相まって、競争が激化しています。このため、他の申請者との差別化を図るためにも、提出する書類は、自身の状況に最も適した具体的で説得力のある書類であることが重要になります。
シンガポールの移民政策は戦略的です。ICAの求める申請者像に合致した申請者と認められるよう、自身の強みや貢献を整理、理解し、最大限にアピールする書類づくりを目指してください。
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